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No.0007 パリのアパルトマンでお料理を楽しむ

南フランス、Aix-en-Provenceに留学していた時、私は学生寮ではなく大きな一軒家と広い庭をお持ちの家主さんが庭の片隅に建てた離れの独立戸建て(20畳ほどのワンルームに、広いキッチン、オーブン、大きなベッド、ソファ、テレビ、ダイニングテーブル、トイレ・シャワー付き。全学生の中で一番贅沢な住まいだったように思います。)に住んでいました。庭では、バラや季節の花が咲き、ガーデンパーティーができるテーブルセットがあり、それらも自由に使っていいということでしたが、私が元々バカ騒ぎを好まず、友人も国籍問わず礼儀正しい人に恵まれたので家主さんから留守を頼まれたりと自由な暮らしができました。

 

毎日自炊が気ままにできて、近くの広場のマルシェでは南仏ならではの新鮮な野菜や魚が売られ、美味しくて安いバター、美味しいバゲット、スーパーの鶏肉や豚肉もとても美味しくてそれらがどれも日本では考えられないぐらい安いという材料天国で過ごしたため、これほどに料理が楽しかった日々もなかったです。

 

オーブンを使用して、グリルやパイ、タルト、そしてトンカツやお好み焼きも作りました。トンカツとお好み焼きは、野菜やお肉などの材料はどの国でも現地で揃います。あとは日本の「ソースだけ」入手すれば完成するので、作りやすい日本の味です。

 

毎日、友達に私が作った食事やスイーツを振舞っていました。

小さなアパルトマン住まいやホームステイの友人たちは、料理環境が無かったり、家にゆっくりいられなかったりで学校帰りに私の部屋に遊びに来る人がとても多かったのです。

 

そして時は流れ、日本に帰国してからも何度もフランスに足を運んでいると、毎日外食するより自分で作りたい熱が高まり2014年12月の滞在ではモンマルトルでアパルトマンを借りました。

 

■食材を買いにムフタールへ行く

この年のフランス旅行ではアルザスのノエルをまわり、その後パリで4日間滞在したのですが、パリ初日にムフタール通りへ行きました。通り1本全部、グルメ御用達となっているエリアです。通りの半分はレストラン街、あと半分は生鮮食品などのお店が立ち並び、端から端まで歩くとパリの食をひととおり楽しめるところです。いろんな国でいろんな市場を見て回りましたが、フランスはディスプレイのセンスが抜群ですね。デコレーターでもいるのかな?と思うほどですが、どんな田舎のマルシェでも感心するほど上手なので、彼らが持っている経験やセンスなのでしょうね。

 

ムフタールのお店のハムやチーズはどれも美味しそうです。チーズは帰国前日などにパルミジャーノのホールを買ってスーツケースに入れて持って帰って来ることもしばしばです。

今回のアパルトマンは充実したキッチン付きを選んだので、ここではしっかりと生鮮品を買って帰りたいと思いますが、フランスではお肉や鶏肉は割とどこでも豊富にあるのですが、生の魚介類が少ない&高いので留学中の予算に限りがあった頃はほとんど買えませんでした。日本と比べ物にならないぐらい、高いのです。豊漁だったから秋刀魚1尾100円!などということは絶対にありません。

 

ということで、当時より金銭的に余裕のある旅行者という立場なので予算度外視で食べたいものを買うことにしました。

 

まずは、「ホタテ」です。

ホタテは牡蠣と並びフランスを代表する貝ですが、高いねん。当時は全く手が出ませんでした。

 

活きた殻ごとを、その場で貝柱にしてもらって、6個ぐらい買いましたよ。

あわせて、アトランティックサーモンも!(これは明日の分)

 

もう値段は全く覚えていませんが、安い買い物ではありませんでした。

 

 

【魚介類の買い方】

(1)どこの魚介類のお店でも丸ごと売ってるので、店頭のおじさんにこれが欲しいと言い、どう処理して欲しいか伝えます。

(2)値段と処理方法を書いた紙をくれるので、それをお店の奥のキャッシャー(大体おばちゃんがいる)に持って行き、お支払いします。

(3)処理班が裏でお望み通りにしてくれて、袋に入れて渡してくれます。

 

 

ホタテ貝6個買うにも、3人とやりとりせねばなりません。

ひとたび(1)のおじさんの手を離れると、あとは「オレはもう知らん」と言った感じで、完全分業制なのです。黙って待っていればいいというものではありませんので、コミュニケーションがちゃんと取れる人でないと買えないかも。日本のコンビニで始終無言ショッピングに慣れている人たちには大変な労力かもしれません。

 

 

さて、ホタテとサーモンを買いました。

いずれも、フランスの北の漁場で獲れたものです。

 

そして、キノコのお店で生のジロール茸も買いました!黄色い、日本にはない形のキノコです。

 

買ったらさっさとアパルトマンに戻って冷蔵庫に入れなければ。でもその前に、スーパーに立ち寄って3日分の野菜や調味料を調達です。スーパーでも野菜や果物が1個から量り売りで買えるのは旅行者にも便利です。

 

 

【3日分これだけあれば楽しめます】

・バター1個

・牛乳1本

・卵6個パック

・コンソメキューブ1箱

・リゾット用のお米1袋(250gぐらい)

・トマト、ズッキーニ、ほうれんそうなど野菜適量

・エシャロットやガーリックやレモンなどもほんの少し

・季節の果物

・ミネラルウォーター3本

*塩・胡椒、砂糖類は日本から持参しても良いし、スーパーでは少量のパッケージものもあるのでそれを買って日本に持ち帰っても良いでしょう

 

全部そろったので、アパルトマンに戻ります。

■1日目:ホタテ貝のバターソテー、ズッキーニ添え

ムフタールのお店に並んでたホタテ(Coquille St-Jaque)を6個ほど殻を外して綺麗にしてもらいました。ヒモの部分は処理されて、プラコンテナに入れてシーリングしてくれるので持ち帰りも安心です。

 

つるんぷるんとしたホタテ。生で食べたい方もいるでしょうが、私は火を通すほうが好みなので、美味しいバターでソテーします!

ズッキーニもフライパンサイドで一緒にソテー。

表面にバターで焼き色がついたらできあがり!レモンも添えました。

このホタテは、日本のものとは食感が全く違いました。

柔らかくて甘くてとにかくシルクの滑らかさのような噛み心地で、本当に美味しかったです。一つ一つもとても大きいのですが、固くなくてジューシーなので6個ペロリといただきました。

■2日目:サーモンソテー

このサーモンも、とても美味しいバターソテーになりました。

ジロール茸とお米とコンソメでリゾットも作り、また付け合わせはズッキーニです。1本で3日分です。

 

後ろに写っている黄色のボトルはゲランドの塩のパウダーです。

■3日目:鶏肉のクスクス

スーパーで買った骨つきの鶏肉と、エシャロットやトマトをたっぷり入れてクスクスを作りました。もちろんクスクス用ミックススパイスも買いました。日本でもよく作るので、このスパイスは数本まとめ買いです。クローブやシナモンなどのスパイスが調合されていて、日本のウスターソースに香りが似ています。

 

クスクスは野菜やお肉などをコンソメで煮込み(カレーの作り方とほぼ同じ)、クスクススパイスを投入します。スープはサラサラ系で、熱湯でふやかして蒸らしたクスクス粒にかけて出来上がり。クスクスがスープを吸って、具と一緒に食べるととても美味しいです。

 

これも自画自賛するほどによくできました。

それにしても鶏肉の美味しさはフランスが一番ではないでしょうか。日本で高級扱いになっている良い地鶏レベルのものがその辺のスーパーで普通に安く買える感じです。

■朝ごはんは3日間こんな感じ

モンマルトルの美味しいブーランジュリで、朝の開店と同時に焼きたてのパンオレザンとパンオショコラを購入!カフェオレ、そしてスクランブルエッグ、シリアル(食物繊維補給)、フルーツです。美味しいハムを食べた日もありましたが写真を撮り忘れました。

 

私はスクランブルエッグ名人なので、絶妙な火の通りと、ドレープのように綺麗に波を形成。昔アルバイトでスクランブルエッグをたくさん作る機会があり、それで手がコツを完全に覚えてしまいました。当時も、私が作った回のものは褒められていたので、スクランブルエッグ職人としていつか活躍できるかもしれません。

 

 

このような自作のお料理3回と、腕の良いシェフがいる美味しいレストランに1回、という構成でパリのディナータイムを過ごしました。 

 

フランスでの食事は「何を食べるか」「どこへ行くか」を考えるのも良いですが(お金がたくさんあるほど楽しいには違いない)、「何を買うか」「何を作るか」を考えるのも本当に楽しいです。特に南仏なら、あの朝の素敵なマルシェで買い物も楽しめて食材もパリよりもっと安く・おいしいものに出会えます。

 

今は、Air B&Bや専門会社がたくさんあって予約もとても便利な時代です。

ぜひキッチン付きのアパルトマン滞在でお料理してみてくださいね。


text&illustration : maki

フランス留学、雑誌・旅行・航空会社を経て企画制作会社設立。2013年より東京・三軒茶屋にて雑貨&デザインアトリエをオープン。