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No.0004 パリから日帰り・シャルトル大聖堂

2014年12月25日ノエル(クリスマス)当日、午前中からパリの中心部を散歩しながら今日どう過ごそうかと考えていました。ノエルのフランスは殆どの場所がお休みになり、パリと言えど静かな朝です。エトワール(凱旋門広場)付近で私はiPhoneのGoogleMapで片道1時間程度の周辺の街を調べました。ふと空を仰ぐと、抜けるような美しい青空にはためくトリコロール(フランス国旗)。「ブルー」という色が目に入ってきて、決めた行き先は「シャルトル」です。

 

「シャルトル・ブルー」という青のステンドグラスが美しいシャルトル大聖堂へ足を運んでみることにしました。

 

2014年12月25日のパリの空は青く、白い雲がさざめいていました。

■モンパルナス駅からシャルトルまで

メトロも人が少なく、スムーズにモンパルナス駅に到着。

パリの国鉄SNCFは、

 

リヨン駅(南仏)

東駅(アルザス)

北駅(北部およびユーロスター)

サン・ラザール駅(ノルマンディー)
モンパルナス駅(大西洋側)

 

と行き先によって駅が完全に分かれている完全始発 / 終着駅方式です。

これまで、全部の駅を利用したことがありますが一番わかりにくいのがモンパルナス駅だと思います。何しろ、1番線から28番線まであって、駅舎や階層が異なっているしとても広いのです。切符を購入していない場合は特に時間に余裕を持って、20分前にはその方面の列車が着くホームの出発掲示板の前にたどり着いていないと、慌てたり、忘れたり、トラブルの元になります。私自身はフランスやイタリアでは言葉に不自由しないのと、生活や移動に慣れているためトラブルやアクシデントということが毎回ほぼ無い旅行になりますので、「やらかした」系のエピソードは無いので期待しないでね。

 

さてシャルトルへは1時間に1本、TER(テーウーエール・快速列車)が出ています。他の行き先の列車も沢山あるので混み合っていてベンチはどこも空いていませんでした。乗客はボストンバッグを持った帰省の若者、旅行者などです。

ちょうどお昼頃だったので、ホームにあるPaulでりんごのパイとカフェオレを買ってTERに乗り込みました。しかし、私の他には中国人の観光客カップルが1組いるだけで、他の車両も殆ど乗客がいませんでした。乗客の少なすぎる列車というのは混んだメトロよりも怖いと感じることが多々あります。自由席車両ではできるだけ、中年・年配女性やファミリー、外国人観光客などがいる近くに座りましょう。10代の若い女性は時々ですが態度の悪い不良だったりすることもあるので(大体服装・ヘアメイクでわかります)気をつけてくださいね。

 

時間通り列車は出発しました。ここから約1時間でシャルトルに到着です。

■シャルトル駅から大聖堂へ

シャルトル駅は程よくこじんまりしていて、迷うような駅ではありませんでした。広めの売店とカフェスペースもあります。

外に出ると、車のロータリーがあって左手にすでにシャルトル大聖堂が見えています。地図不要のシンプルさで10分ほどで到着。でも、青空だったパリに比べ空がどんよりしていて、雲が低く垂れ込めていました。そういえば乗車中、突然雨が降ってきた場所もあったので、降らなければいいな、と思いながら歩きました。(傘持ってないし)

■シャルトル・ブルーのステンドグラス

そして、とうとう、

 

12月25日ノエル当日のシャルトル大聖堂に来ました!

 

なんとなくそれだけで、ありがたみが上がったような気がしましたが列車だけでなく大聖堂にも観光客もほとんどいませんでした。ここは世界に誇る世界遺産の大聖堂なのですが、貸切状態で思う存分ステンドグラスを見ることができました。これまで、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルで何百ものステンドグラスを見てきましたが、鮮やかなブルーと緻密さ、太陽光が入った時の美しさは目を見張るものでした。戦争中、全部をバラして別の場所で大切に保管されたおかげで再現ではなく中世の現物のままとのことなので、本当に貴重なものです。見ているうちに徐々に陽がさしてくるのがわかりました。

そしてこちらが、聖母マリアとキリストの部分です。

青色がマリア様のカラーであるのは、もともと海に関する青のイメージがあった中、ラピスラズリから取れる深い青の顔料が当時は非常に珍しく高価でそんじょそこらのものには使えなかったということもあり、マリア様のお召し物のお色になったとの説。その青がふんだんに使用されているのですね。また、この大聖堂では、聖母マリアの聖衣が保管されており、マリア様信仰の重要な巡礼地だそうです。私が訪れたことのあるマリア様関連の場所は、南フランスのSainte-Marie-de-la-Mer(サントマリードラメール)、ポルトガルのFatima(ファティマ)などですが、この2カ所は毎年マリア様関連の大きなイベントがあって世界中から信者がやってきます。 

■シャルトル旧市街を歩く

大聖堂の内部をじっくり見た後は、教会の周りに広がる旧市街を散歩することにしました。ガイドブックなどには大聖堂のことは詳しく掲載があっても、旧市街のことはあまり取り上げられていないように思います。

 

外に出ると、重い雲がだんだん流れ始めてうっすらと光が差してきました。

後には雲ひとつない美しい夕暮れになって行くのですが、湿度の高い日本と比べると西欧・南欧のクリアな空は本当に色の移り変わりが綺麗で空が信じられないような色になっていることがありますね。

大聖堂の横は高台の公園のようになっていて、見晴らしが良かったですが、建物もどれも美しく手入れの行き届いた清潔感ある街並みは住民の豊かさを表しているように思います。ホタテ貝(コキーユ・サン・ジャック)のマークが公園に貼ってありますが、これは巡礼地であることを意味しています。ホタテ貝といえばパリのムフタール市場で大きな貝数個をその場で貝柱にしてもらい、アパルトマンのキッチンでさっとソテーして食べましたが日本で食べるホタテ貝とは比べ物にならないほど大きく、甘く、きめ細かくておいしかったです。

 

さて、大聖堂の脇に伸びる通りを進んで行くと、その一帯は旧市街。

 

ノエル当日なので、パン屋さんと数件のカフェ以外はほぼ全部閉まっていますが、美しい石畳の道に、整った建物、ショッピングが楽しめそうな小規模のお店がたくさんあって、それらのショウウインドウがとても可愛かったです。素敵なレストランもたくさんあるようで、ここは大聖堂だけでなく、食事と買い物もゆっくり楽しめそうだと思いました。

 

パリから片道90分ほどかかるので、往復180分。

大聖堂60分

食事60分(今回は食事はしていません)

街巡り60分。

 

合計6時間の終日エクスカーションとしてはとても良いところです!

かわいいショーウインドウ色々。

Repetto(レペット)のショップもありましたよ。ウインドウは子供服ばかりだったので、大人用があるのかどうかは不明です。

■シャルトル・ブルーの夕刻

人がいない旧市街を歩いたり、カフェでコーヒーとパニーニを食べたりしている間に少しづつ陽が落ちてきました。この頃には雲がなくなってきて澄んだ空が色を変え始めるのですが、まさにシャルトル・ブルーの空としか言いようがありません。それもPCモニターと同じように、後ろから光を当てたかのような透明感まであって、美しすぎます。

12月のフランス全土がこんな色になるわけではないですが、アルザス方面も見たことがないような青い夕暮れです。南仏は紫とオレンジの印象があります。

ノエルのイルミネーションも瞬き始め、三日月も明るく光っています。この日は人がこしらえた大きなもの、緻密で美しいもの、そして自然が見せる美しい光と色、が全部無料で私の経験財産になりました。18:30頃のTERに乗って20時すぎにパリのアパルトマンに戻り、ゆっくりとお風呂に入ったりベッドでゴロゴロしてノエル当日を終えました。

 

クリスマスケーキは、結局買いそびれました。

訪問日:2014年12月25日


text&photo : maki

フランス留学、雑誌・旅行・航空会社を経て企画制作会社設立。2013年より東京・三軒茶屋にて雑貨&デザインアトリエをオープン。